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【書評・感想】戦争から学ぶ座右の書5選

むき出しの本能と極限状態である戦争ドラマは、命をかけた先人の知恵

アイウチ

writter アイウチ 2017/07/06

いつも、我がスタッフブログに
ご訪問いただきありがとうございます。
アイウチです。

先日、本ブログ編集長・いのさんが
戦争映画「ハクソーリッジ
の感想記事をあげていましたね。

誤解を恐れずに言えば、
私も戦争をテーマとした話には関心が高く、
戦争に関する本もキャッチアップ対象です。

なぜ、戦争に関心を持つのかというと、
事業に通ずるものがあると
感じるからです。

事業というのは、
「社会にどのような価値を提供したか?」
という側面で語られる一方で、
「ライバル企業との戦い」という側面もあります。

事実、ビジネスの世界でも
「戦略」や「戦術」という言葉がよく使われるように、
事業が生き残る上で、
こうした競争視点を求められる機会は多いです。

穏やかではないテーマではありますが、
私が感銘を受けた戦争本を5つ紹介したいと思います。

■野中教授の戦史本は、モロハマり

まず特に読み応えバツグンなのが
経営学者・野中郁二郎教授の「失敗の本質」。
※戸部良一、寺本義也、鎌田伸一、杉之尾孝生、村井友秀との共著(敬称略)

太平洋戦争時の日本軍の
組織的な特徴や欠陥に
フォーカスした研究書です。

著者である研究者たちの手にかかれば、
あの山本五十六大将ですら、
攻撃偏重、情報戦の軽視、目的・構想の周知不足と
バッサリ斬られます。

最終的に組織が機能する条件と
機能しない条件も解明されており、
マネジメントの参考になりますが、
ミッドウェー海戦やガダルカナル作戦などの戦局が
詳細に記されていて、それだけでも興味深いです。

野中教授は、
史上最大の決断—ノルマンディー上陸作戦を成功に導いた賢慮のリーダーシップ
という作品で勝者視点の作品も残されています。
※荻野進介氏との共著

こちらは、連合軍司令官アイゼンハワーはじめとする
リーダー陣の決断が戦局にどのような影響を与えたか?
詳細に記されており、これまた戦史としても楽しめます。

小さな決断の積み重ねと運が
ヒトラーを追い詰めていくわけですが、
著者の分析による最大の勝因は
上陸場所にノルマンディーを選択した点。

アイゼンハワーのようなカリスマ性も
抜きん出た能力もないリーダーでもなぜ勝てたか?
に研究の情熱が注がれており、
その一つが決断の差というわけです。

また、歴史に「もし」はないものの、
それをシミュレーションしているのも本書の醍醐味。

もし作戦の実行が1年前だったら?
ヒトラーがソ連への攻撃をやめていたら?
同じタイミングで真珠湾攻撃がなかったら?

思考訓練としても
野中教授の戦史本は、モロハマりです。

過酷な戦争に備えた人材育成について
野中教授が触れたのが
アメリカ海兵隊—非営利型組織の自己革新」。

海兵隊とは、戦争の中で最も難易度が高い
上陸作戦を担う水陸両用部隊。

その進化の過程を
独立戦争以降の戦史を通じて解説された研究書です。

相変わらず、野中教授が語る戦史は、
まるで見てきたかのようなリアル描写であり、刺激的です。

海兵隊の新兵訓練ブーツ・キャンプの内容も面白い。

およそ人間性とはかけはなれた
サディスティックな言葉を浴びせられ続け、
犬以下の扱いを受けることで
「上官を憎めば憎むほど多くのことを学ぶ」
効果があるようです。

また、一戦ごとにブラッシュアップされていく
作戦や武器は、ビジネスにおける
PDCAなど目じゃないスピード感。

生死を背負う組織のルール・文化は、何もかもがエグいです。

■変化の時代にどう立ち向かっていくべきか?を示唆

敗者がみずから語った本からも
様々な示唆があります。
フランス敗れたり」は、
第二次大戦でフランスがナチスドイツに
占領された(最終的には戦勝国側)理由を考察した作品。

著者モーロワは、フランス将校として大戦を経験しており、
これまたリアル描写です。

本書によれば、敗因は
「戦争なんて好き好んで仕掛けてくる国などない」
「いざという時は国連が助けてくれる」
というフランス首脳の希望的観測とのこと。

緩んだ空気下での意思決定は、
いつの時代も後の祭りですね。

最後に、困難なプロジェクトを率いる勇者がいたら
「とりあえず読んどけ」と、そっと渡したくなる記録小説として
八甲田山死の彷徨」をあげさせていただきます。

モデルは八甲田山雪中遭難事件です。

舞台は日露戦争前夜の明治末期。

ロシア攻勢に備え、雪中行軍が可能かどうか?
を検証するために、
ある2部隊に八甲田山の踏破訓練が命じられます。

本書では両部隊を対比しながら、
自然と戦うプロセスが描かれています。

結果は、今も史上最悪の遭難事件と語り継がれている通り。

神田大尉率いる第5聯隊は、
210名中199名が遭難死と相成ります。
(隊員が次々と発狂していく様はガクブル)

訓練で命を落とすなんて、浮かばれないです。

かたや徳島大尉率いる第31聯隊は全員生還。

事前準備や指揮命令ライン、
トップの統率・判断が明暗を分けており、
組織を束ねる人にとっても身の引き締まる作品です。

今回は、いつものブログの雰囲気とは
違ったエントリーかもしれません。

しかし変化の時代にどう立ち向かっていくべきか?

むき出しの本能と極限状態である戦争ドラマは
それを命をかけた先人の知恵として
教えてくれている気がします。





本は、色んな刺激を私に与えてくれます。
そして楽しめるだけでなく、
人生を変えるきっかけになる
学びや気づきがあればさらに幸せですね。

それでは次回もお楽しみに。。。