老後・年金

遺族年金ってどんな制度?仕組みを解説

この記事の早わかり要約

  • 遺族年金は、亡くなった人が加入していた年金の種類や遺族の年齢、家族構成などによって受給する内容が決まります。
  • 2018年4月からの遺族基礎年金は「77万9,300円+子の加算」、遺族厚生年金は「亡くなるまでの加入実績に応じた金額」が支給されます。

遺族年金とは

遺族年金は、誰かが亡くなった時、遺族の生活保障のために支給されるものです。遺族基礎年金と遺族厚生年金の2種類があり、亡くなった人が加入していた年金の種類によって、受給できる年金の額などが決まります。

 

国民年金と厚生年金

まずはじめに、国民年金厚生年金の違いを確認しておきましょう。

 

国民年金は、日本国内に居住する20歳から60歳のすべての人に加入義務がある制度です。また、加入者は3種類に分類されます。

 

第1号被保険者…自営業、学生、無職の人など
第2号被保険者…会社員、公務員など
第3号被保険者…第2号被保険者に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者

 

厚生年金は、会社員や公務員など国民年金の第2号被保険者を対象にした制度です。

 

支払う保険料も受け取る年金額も報酬に応じた金額となっており、国民年金に上乗せして支給されるものです。

 

遺族年金の種類

遺族年金には、「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」が存在します。それぞれの受給資格などを確認していきましょう。

 

【遺族基礎年金】

亡くなった人によって生計を維持されていた、子どものいる配偶者、または子どもに対しては、遺族基礎年金が支給されます。

 

※子どもとは、18歳到達年度の3月31日を経過していない子、20歳未満で障害年金の障害等級が1級または2級の子を指します。

 

また、支給要件は下記の通りです。

 

■国民年金の被保険者、または老齢基礎年金の受給資格期間が25年以上ある者が死亡したとき(年金保険料を納付、または納付を免除されていた期間が加入期間の2/3以上あること)

 

※2026年3月31日までの間は、亡くなった人が65歳未満で死亡月の前々月までの1年間に保険料の未納期間がないという要件を満たしていれば、受給することが可能です。

 

また、遺族の年収が850万円未満(所得655万5000円未満)でなければ、遺族基礎年金は受給できません。

 

かつて、夫は妻が亡くなっても遺族基礎年金を受給できませんでした。

 

2014年4月以降は、妻が専業主婦やパート勤務などであっても、要件を満たしていれば、夫も遺族基礎年金を受給することができるようになっています。

 

遺族基礎年金の支給額は2018年4月時点で、【77万9,300円+子の加算】となります。

 

子の加算は、第1子・第2子で22万4,300円、第3子以降は7万4,800円です。

日本年金機構 遺族基礎年金

 

【遺族厚生年金】

亡くなった人が厚生年金の加入者であった場合、遺族には遺族厚生年金が支給されます。

 

遺族厚生年金を受給できる遺族は
■妻
■子ども
■孫
■55歳以上の夫(受給は60歳から)
■55歳以上の父母(受給は60歳から)
■55歳以上の祖父母(受給は60歳から)

となり、遺族の中で優先順位の最も高い人が受給します。

 

受給者が「子どものいる配偶者」または「子ども」の場合には、遺族基礎年金も併せて支給されます。

 

※子ども、孫とは、18歳到達年度の3月31日を経過していない子、20歳未満で障害年金の障害等級が1級または2級の子を指します。

 

遺族厚生年金の支給要件は下記の通りです。

 

■死亡月の前々月までに国民年金加入期間の3分の2以上の保険料が納付または納付を免除されていること
■死亡月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと

 

さらに、亡くなった人が下記のいずれかに該当している必要があります。

 

■被保険者が死亡したとき
■被保険者期間に初診日のある傷病を原因として、初診日から5年以内に死亡したとき(年金保険料を納付、または納付を免除されていた期間が国民年金加入期間の2/3以上あること)
※ただし、2026年3月31日までの間は亡くなった人が65歳未満で死亡月の前々月までの1年間に保険料の未納期間がないという要件を満たしていれば、受給することが可能です。
■老齢厚生年金の受給資格期間が25年以上ある者が死亡したとき
■1級または2級の障害厚生年金を受けられる者が死亡したとき

 

遺族厚生年金の受給額は、「亡くなるまでの加入実績に応じた金額」になります。

 

複雑な計算式になりますが、具体的な金額を知りたいという方は日本年金機構のホームページを参照してみて下さい。

日本年金機構 遺族厚生年金

 

遺族年金の受給期間

続いて、遺族年金が受給できる期間はどのように決まっているのかを見ていきましょう。

 

遺族基礎年金

先述の通り、遺族基礎年金は「子どものいる配偶者」または「子ども」に対して支給されるものです。

 

子どもが18歳到達年度の3月31日を経過すれば(障害年金の障害等級が1級または2級の子の場合は20歳を迎えれば)、遺族基礎年金の支給はそこで終了となります。

 

遺族厚生年金

配偶者が遺族厚生年金を受給する場合は、やや複雑になります。

 

まず、夫が亡くなった時に30歳以上の妻は、子どもの有無にかかわらず遺族厚生年金を終身で受け取ることができます。

 

妻が30歳未満で子どもがいない場合、支給されるのは5年間のみです。

 

また、遺族厚生年金を受給していて

■子が18歳到達年度の3月31日を経過した40歳以上65歳未満の妻
■子いない40歳~65歳の妻

に対しては、遺族厚生年金に加えて、年額584,500円が加算されます。これを「中高齢寡婦加算」と言います。

 

※ここで言う子とは、18歳到達年度の3月31日を経過していない子、20歳未満で障害年金の障害等級が1級または2級の子を指します。

 

これは、子どもがいない、あるいは子どもが大人になった妻には遺族基礎年金が支給されないため、生活水準が著しく下がることがないようにするための制度です。

 

その他の制度について

子どもがいない場合には、遺族基礎年金に代えて「死亡一時金」または「寡婦年金」が支給されることになります。

 

死亡一時金

亡くなった人の国民年金納付期間(免除期間を含む)が36ヶ月以上あり、遺族基礎年金を受給できる人がいない場合に支給されます。

 

死亡一時金を受け取るのは、亡くなった人と生計を共にしていた配偶者、子ども、父母、祖父母、兄弟姉妹の中で最も優先順位の高い人となります。

 

保険料納付期間に応じた金額(12~32万円)が一度だけ支給されます。

 

寡婦年金

夫が第1号被保険者として国民年金保険料を10年以上納めていて(免除期間を含む)、10年以上婚姻関係にあり、生計を維持されていた妻が60歳~65歳までの間に支給される年金です。

 

支給額は、夫が65歳以降に受け取るはずだった老齢基礎年金の4分の3にあたる金額です。

 

※夫が障害基礎年金の受給権者であった場合、老齢基礎年金を受けたことがある場合、妻が繰り上げ支給の老齢基礎年金を受給している場合は支給されません。

日本年金機構 寡婦年金

 

遺族年金は、遺族の生活を支えてくれる大切な制度です。亡くなった人や遺族の状況によって受給内容が変わりますので、いざというときの生活の保障として内容を確認しておくと良いでしょう。

 

おさらい

  • 遺族年金は、亡くなった人が加入していた年金の種類や遺族の年齢、家族構成などによって受給する内容が決まります。
  • 2018年4月からの遺族基礎年金は「77万9,300円+子の加算」、遺族厚生年金は「亡くなるまでの加入実績に応じた金額」が支給されます。

(最終更新日 : 2018年5月11日)