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死亡保険金が支払われないときはどんなとき?自殺時はどうなるの?

死亡保険金が支払われないときはどんなとき?自殺時はどうなるの?

この記事の早わかり要約

  • 現在の保険法には、自殺の場合、死亡保険金は支払う必要がないと表記されています。
  • 免責期間経過後であれば、自殺であっても保険金が支払われるケースがあります。
  • 自殺によって保険金がおりても大切な人を悲しませてしまうばかりです。国が認める救済措置もあるので、まずは他の解決法を探ることが先決です。

自殺者は年間2万人以上

厚生労働省の調査によると、令和元年の日本国内の自殺者は20,169人にものぼるそうです。
平成22年以降、8年連続の減少とはなっているものの、未だ自殺者の数が2万人を下回ることはありません。
先進国の中でも自殺者数がトップクラスである日本。あまり考えたくないことですが、自殺の場合、死亡保険金はどのように支払われるのでしょうか。

自殺の場合に保険金が支払われないケース

まずは、自殺によって保険金が支払われない状況にはどういったケースが考えられるのか見ていきましょう。
そもそも生命保険には、「モラル・リスク」という考えがあります。これは、生命保険を悪用し、保険金や給付金を不正に受け取る、というような道徳上の危険を排除することを意味します。
保険金を不正に受け取る人がいれば、契約者間の公平性は損なわれてしまいます。また、保険会社の信頼や経営を脅かすことにもなりかねません。
この観点から、以下の3つの場合については自殺による死亡保険金は支払われません。

保険金目当ての自殺の場合

例えば、莫大な借金がある人が、死亡前に明らかに高額な保険商品に加入して自殺した場合。
このようなケースでは、世帯収入に対して保険金額が高額すぎないか、不自然に複数の保険会社と契約を結んでいないかなどの調査を保険会社が行います。
調査の結果、保険金目当ての自殺と判断された場合、保険金は支払われません。

告知義務違反をしていた場合

次に、告知義務違反をしていた場合です。
ほとんどの保険商品の加入時には、現在の健康状態や既往歴を保険会社に正確に告知することが義務付けられています。
しかし、病気と診断されている人がそれを隠し、告知せずに生命保険に加入して自殺をした場合、保険会社の調査によって、告知義務違反と自殺との間に因果関係があると判断されれば、保険金は支払われません。
告知義務とは?告知義務違反のリスクを考える

犯罪行為をしていた場合

3つ目は、犯罪行為をしていた場合です。自殺を考えるほどの精神状態であると、まれに違法薬物に手を出してしまうというケースがあります。
このような場合、免責期間が経過していても保険金が支払われないことが多いのです。
免責期間とは、保険金や給付金の支払い対象とならない期間のことです。

自殺でも保険金が支払われる場合

保険会社と契約者間の契約ルールを定め、契約者を保護するための整備を規程することを目的とした法律に、「保険法」があります。
その保険法の中で、自殺による死亡保険金は支払う必要がないと表記されています(保険法51条1号)。
しかし、実際の保険金の支払いについては、保険会社ごとに定められたルールにのっとって、そのケースごとに判断されます。
自殺による保険金の支払いについては、保険会社ごとに1~3年程度の免責期間が設定されています。
保険法では自殺による死亡保険金は支払う必要がないと定められいるとお伝えしましたが、免責期間経過後の自殺であれば、保険金は支払われることがあります。
これは、自殺を決意した人が、その思いを抱えながら何年も生きることは難しいとされているからです。
いずれにせよ、自殺での保険金給付という事態は考えたくないことです。自らの命を絶ってしまうということは、大切な家族や友人を悲しませてしまうことに他なりません。
例えばお金のことで悩んでいるなら、自己破産という法的な救済措置も選択としてあります。悲しい選択をしてしまう前に、他に何か方法がないか考えてみることが大切です。

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おさらい

  • 現在の保険法には、自殺の場合、死亡保険金は支払う必要がないと表記されています。
  • 免責期間経過後であれば、自殺であっても保険金が支払われるケースがあります。
  • 自殺によって保険金がおりても大切な人を悲しませてしまうばかりです。国が認める救済措置もあるので、まずは他の解決法を探ることが先決です。

(最終更新日 : 2021年1月6日)

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