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セルフメディケーション税制で家計節約!控除対象の条件とは?

セルフメディケーション税制で家計節約!控除対象の条件とは?

この記事の早わかり要約

  • セルフメディケーション税制とは、2017年1月1日から始まった医療費控除の特例制度で、自分自身で健康管理を行うことを目的としています。
  • 従来制度に対し、対象金額が大幅に引き下げられることが大きな特徴となっており、対象医薬品を年間で12,000円以上購入し、一定の条件を満たせば税金控除が受けられます。
  • セルフメディケーション税制により、控除を受けられる人の増加が見込まれます。上手に活用することで所得税、住民税が軽減される可能性があり、家計節約に繋がります。

セルフメディケーション税制とは?一体どんな制度なの?

最近メディア等でチラホラ耳にするようになってきた「セルフメディケーション税制」
一体この制度がどういった仕組みなのか、私たちにどう影響があるのかをご存知でしょうか。
セルフメディケーション税制とは、2017年1月1日から施行された新制度です。実は私たちの生活にも密接な関わりがあり、知っていると家計の節約にも繋がるかもしれません。
「セルフメディケーション」とは、新制度施行に伴いできた言葉のように思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は以前からよく使用されている言葉で、世界保健機関WHOは、「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること」と定義しています。
つまり、セルフメディケーションとは、「自分自身で適切な健康管理を行う」ということを目的とした制度なのです。
ここでは、セルフメディケーション税制について、2回にわたって解説していきます。今回は基本編です。制度の概要をしっかりつかんでいきましょう。

どうして「セルフメディケーション税制」ができたの?

2016年9月、厚生労働省は日本国内の医療費が13年連続で過去最高を更新したと発表しました。その額、実に41.5兆円にものぼります。
高齢化が進む日本では、医療費は今後もさらに増え続けることが予想されています。このような状況を鑑みて、医療費の増加を抑制するための措置として厚生労働省が打ち出した医療費控除の特例こそが、セルフメディケーション税制なのです。

セルフメディケーション税制の概要

次に具体的な内容を見ていきます。セルフメディケーション税制とは、医療費控除の一環ですので、従来のもの同様に、一年間で一定以上の金額を医療費に使った場合、その一部において所得控除が適用されます。
医療費控除の特例ということもあり、控除の対象となる金額が大幅に引き下げられたことが大きな特徴です。
また、自分自身で健康管理を行うことを目的とした制度ですので、通院にかかる費用ではなく、医師の処方箋なく、薬局やドラッグストアなどで販売している医薬品を購入した際にかかった費用に対して、所得金額等から控除が受けられます。
セルフメディケーション税制の対象となる医薬品は、OTC医薬品(一般用医薬品)と呼ばれます。そう聞くと難しそうに感じますが、風邪薬や鎮痛剤、せき止め、下痢止めなど、私たちが日常生活を送る中でよく使う種類の薬も多く含まれています。
対象の商品には、製品パッケージに下図のような識別マークがあります。
薬の絵

控除を受けられる条件

以下、すべての条件を満たすことが必須となります。
1.所得税、住民税を納めていること
2.健康の維持増進、疾病の予防への取り組みとして、申告者が申告対象となる一年間で下記のいずれかを受けていること
・特定健康診査(メタボ健診)
・予防接種
・定期健康診断(会社等で行う事業主健診)
・健康診査
・がん検診
またこれらを受けた証明として、健診等の結果通知書や予防接種等の領収書が必要になります。
3.セルフメディケーション税制の対象となる特定成分を含んだOTC医薬品を1万2千円以上購入していること

対象となる期間

2017(平成29)年1月1日~2021(平成33)年12月31日までが、セルフメディケーション税制を利用できる期間となります。
この期間のうち、各年の1月1日~12月31日までの一年間のOTC医薬品購入額に対し、控除を申請することができます。申請は、各年の確定申告時に行います。
対象となる期間

対象となる金額

1月1日~12月31日まで(年ごとに申請)に購入したセルフメディケーション税制対象のOTC医薬品の合計が1万2千円を超える場合に適用となり、上限は8万8千円です。
なお、申請者のみではなく、申請者と生計を同じくする配偶者や、別居を含むその他の親族の購入分も合算することができます。
対象となる金額

申請時に必要なもの

申請には、OTC医薬品を購入した際のレシートもしくは領収書が必要になりますので、必ず保管しておくようにしましょう。また、レシートには下記の記載が必須となります。
・商品名
・購入金額
・購入した商品がセルフメディケーション税制の対象商品であること
・販売店名
・購入日

申請方法

通常の確定申告と同様に、最寄りの税務署から申請できます。また、国税庁ホームページからも申請可能です。

セルフメディケーション税制が私たちに与える影響

従来の医療費控除は、10万円以上の支払いがないと控除対象になりませんでしたが、この新制度ができ、対象金額が引き下げられたことで、多くの人が控除を受けられるようになることが予想されます。
また、所得税だけでなく、住民税も控除されるので家計の節約効果も期待できます。
嬉しいのは経口薬(飲み薬)だけでなく、塗り薬や湿布等の貼付薬も対象の商品に含まれていることです。お子さまの多い家庭や、病院に行く時間がないという方で、ドラッグストアのOTC医薬品にお世話になっている方にとってはメリットの大きい制度ですので、概要をつかんでおくと良いでしょう。
しかし、従来の医療費控除とセルフメディケーション税制の両方を同時に利用することはできませんので、どちらを利用した方が有利になるかをしっかり考えた上で上手に利用しましょう。
従来の医療費控除との違いが気になる方は下記よりご確認ください。
医療費控除とセルフメディケーションの使い分け方とは?
※本記載は、2018年3月現在の税制に基づく一般的な取扱について記載しています。税務上の取扱が税制改正などで変更となることがありますので、ご注意ください。また、個別の取扱等につきましては、所轄の税務署などにご相談ください。

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おさらい

  • セルフメディケーション税制とは、2017年1月1日から始まった医療費控除の特例制度で、自分自身で健康管理を行うことを目的としています。
  • 従来制度に対し、対象金額が大幅に引き下げられることが大きな特徴となっており、対象医薬品を年間で12,000円以上購入し、一定の条件を満たせば税金控除が受けられます。
  • セルフメディケーション税制により、控除を受けられる人の増加が見込まれます。上手に活用することで所得税、住民税が軽減される可能性があり、家計節約に繋がります。

(最終更新日 : 2020年12月28日)

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